
糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病により、狭心症や心筋梗塞が増えています。この疾患は、心臓が元気に働けるための栄養源を血液と一緒に供給するパイプの役目をする直径3mm程度の冠動脈という血管の内腔がコレステロールを中心とした塊(プラーク)が詰まってくる病気なのです。特に覚醒して間もない朝の出勤時の駅や職場の階段や坂道を上った時などに、数分間突然胸部や頸部の締めつけられる様な痛みを感じ、立ち止まって安静にすると間もなく症状が改善するものが典型的な狭心症です。これが進行し、突然血管が完全に詰まってしまう病気が心筋梗塞です。狭心症はあくまでも数分間の発作ですので、心臓そのものにはダメージはありませんが、心筋梗塞となると冠動脈が完全に詰まってしまうので、大半は七転八倒する苦しさで救急車を呼ぶことになります。冠動脈の詰まる部位によりそのダメージの大きさは異なりますが、平均1/4~1/3の心臓は壊死して元に戻りません。冠動脈の付根が詰まってしまうと数分以内に死亡してしまうこともある、恐ろしい病気です。