2015.12.01 ふたりの子供

「寒くなりましたね。お正月は先生、ご家族でどこかへ行かれるのですか?」「いいえ、自宅でのんびりする予定です。」「お子さんは、大きいのですか?」「大学4年生と高校3年生です。」 開業当初は小学2年生と幼稚園に通っていた可愛い女の子たちでしたが、クリニックと一緒に成長し、大きく(??)なりました。デザインの仕事がしたいと頑張る長女と、プロゴルファーを夢見て小学3年生の時からゴルフを始めた次女。高校1年生の時には関西高等学校選手権で優勝し、関西チャンピオンになるもメンタルの厳しいスポーツに苦戦の連続である。来年からプロテストを受験するようであるが医者になるより難しい世界に挑戦する子供たちに、畑違いの私はアドバイスもできず陰でこっそり応援団長を務めている。「 がんばれ!子供たち 」

2015.12.04 低体温で免疫力が低い??という真っ赤なウソ!

「先生、私は低体温で元々35℃くらいしかないんです。体温が低いと免疫力が弱くて癌になりやすいと聞きましたが?」「誰に聞きましたか? また適当なテレビ番組でやってましたか?」そもそも体温ってどこの温度なのか一般的に理解されていない。哺乳類は恒温動物であるということは小学校、中学校の理科の教科書にのっている。恒温とは外気の温度に左右されないということで、人間の場合は中枢(体の中)の温度が37℃程度に保たれるようになっている。特に生命に大切な脳や心臓は他の部位を犠牲にしてまでも最後の最後まで37℃に保とうというメカニズムになっている。しかし、体の中心(内部)の温度なんて自己で測定することなど不可能に近く、その代替部として表面から比較的容易に測定できる ワキ(腋窩)、耳、口(舌下)、直腸が代用されるようになっている。要するに、皆さんが測定している体温はワキの温度や口の温度であって、個人差があり、体中心の本来の体温ではないということです。当然、ワキの温度など暑い日と寒い日で異なったり、汗でワキが湿っているだけで温度も変わります。歳を取ると、体からの熱の産生も落ち、体温調節機能も低下するので若い人よりワキの温度は低下します。高齢者の場合、35℃台の方が結構多いことに気づきます。それでも中枢の温度は37℃程度に保たれるようになっています。ということで、体温の低い人の免疫力は低いというのは、真っ赤なウソであるということが理解できると思います。最も、風邪をひいたりインフルエンザにかかったりするとこれらのウィルスは低温で繁殖しやすいため、体は発熱(中枢の温度上昇)して繁殖をくい止めようと反応します。同時に免疫細胞(マクロファージや白血球など)が発熱によって、ウィルスを活発に食べようと頑張ります。ですから、人間の体はちゃんと外敵が侵入したときには体温を上げて免疫を高めています。なにもない時から体温を上げる意味もなければ努力してあげることもできません。自分のワキの温度は各自が日頃から把握しておく必要はありますね。

2015.12.09 入浴剤

テープかぶれを起こしやすい S さん。「 先生、お風呂に入浴剤を入れようと思って買ってきたのですが、注意書きに皮膚や体質に異常のある場合は医師に相談して下さいと書いてありました。私は大丈夫ですか?」「へ~、そんなことが書いてありましたか。一緒に研究して作ったわけではありませんから知りませんよ」。小生も入浴剤を愛用している。家に帰って入浴剤のパッケージを眺めてみると、これがなかなか面白い。某会社のものでは、「十和田湖」と書いて青森の温泉を想像させ、そこに林檎の香りと書いてある。温泉にリンゴの香り? 更に下の方には「本品は、温泉の湯を再現したものではありません。」とも書いてある。「え~、じゃ温泉名まで表記してあるのに無関係?」折角、全国の温泉巡りが数百円でできると楽しんでいたのに、この表記をみて残念である。裏面には S さんが言っていた通り、皮膚あるいは体質に異常のある場合は医師に相談して下さいと記載されている。さらに、使用中、使用後に皮膚に異常が現れたときは医師にご相談下さいとも書いてある。医者側からすれば、勝手に作って、売って、儲けておきながら、何かあったら医者に行けとは何と身勝手な言い分かと反論したくなる。別段、医者側と入浴剤会社が提携しているわけでもなく、契約をしているわけでもない。小生から言わせれば、「異常が現れた場合は、まず当社にご連絡下さい」じゃないだろうか。まあ、なんでもかんでも何かあったら医者に相談しろみたいな商品が増えましたね。「そんなもん、神様じゃないんだから知りませんよ!あなた達で相談して下さいよ。」というのが本音である。しかし、今日の入浴剤も気持ち良かったな~。明日はどこのにしようかと・・・。