2019.12.22 この一年を振り返って― 平成から令和へ

今年も残りわずかとなってきた。5 月には新元号を迎え、新たな時代を感じる一年のはずであったが、別段新しい風が吹くこともなく、令和元年を終えようとしている。昭和から平成になった時、まだ医師になって2年目だった。今年は 31年目、開業して 18年目になった。この 18年間、医療の変遷は大きく、超高齢者の急増とそれに対する医療内容の変化は凄まじいものと実感している。クリニックも 80歳以上の患者さんが占める比率が大きくなり、もはや医療を超え、福祉を仕事としているような気がする。病気でない加齢による苦痛に対する訴えに答える毎日。朝 9時前から昼 2時前まで一切の休憩なしに診察をこなし、昼 3時から 5時の午後の診察も大抵は 6時を過ぎる。やっと診察が終わっても、引き続き、役所から送られてくる患者さんの介護保険の申請書類作成や、夜間や休日に調子が悪くなり他院に入院となった患者さんの情報提供書の依頼に対する書類作成、また、当院では施行できない検査や診察目的での他院への紹介状作成など連日 2時間以上の書類作成およびクリニックの雑用など、朝から 12時間雑談もなく、二度のトイレと 15分程度の昼休みぐらいで、もう疲労困憊である。働き方改革だのと馬鹿なことを言っているこの国はもう終わっていると感じる。自分は病気を治そうと医師になったのであるが、もはや役所のような高齢者の福祉事業をしているようで、自分の目的とした仕事ではなくなってきているとつくづく実感している。そろそろ引退をする時期かと考える毎日である。引退して何をしようか? 考えれば考えるほど焦りが生じて何も思いつかない。取り敢えずは引退してから考えようかという結論になってしまう。愚痴になりそうな話を家庭に持ち帰る訳にもいかず、その苦痛と闘う毎日である。夢を追い続けている二人の子供は、今年 長女は 4月に名古屋でコンピューターグラフィックを駆使したデザイン関係の仕事を独り立ち。顧客をつかむため、多方面に足を運びながら日々努力しているようだ。小学 3年生からゴルフを始めた次女は、高校 1年時に関西大会で優勝し、今年の女子ゴルフプロテストも 642名が受験した中、1次テストを通過、2次テストも通過し、最終テストの 100名に残り、最後は 31位。21位までが合格であったため、非常に残念ながら合格はできなかったが着実に夢に向かって努力している。スポンサーもいくつか付き、ゴルフ雑誌に掲載されたり、インターネットTVやBSテレビの大会やゲームに招かれたり、CMに出たりとなかなか忙しいようである。自分も若い時は夢に向かって頑張っていたのだなと回顧するが、もう一度何か夢を持ちたいなと夢見ている毎日である。今年一年、結局自分は何も進歩することもなく、残念な一年になってしまった。さて来年はどんな一年になるか、しっかりと目標を持って新年を迎えたいと思う。どうぞ、皆さんも良き年となりますように。